2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞(前駆脂肪細胞)の前立腺癌への影響:シグナル伝達の網羅的解析
Project/Area Number |
19791115
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
佐藤 勇司 Saga University, 医学部, 助教 (40363436)
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Keywords | 前立腺癌 / 脂肪細胞 / 3次元培養 / シグナル伝達 / 免疫染色 / Western Blot法 / Real-Time RT PCR / cDNA microarray |
Research Abstract |
我々は、すでに『研究基盤(B)(2)08457426』、研究基盤(C)(2)13671657』、『若手研究(B)(16709918)』で3次元培養の研究を行っており、間質細胞が癌細胞株に増殖と分化度の増加に関与していることと検討した。さらに当科徳田が前立腺癌と脂肪細胞との3次元培養の結果、増殖分化度の増加に、さらに増殖因子との関係を明らかにした。今回、ヒト前立腺癌cell lineと前駆脂肪細胞を用い、シグナル伝達異常について、検討した。 1.平面培養下で前駆脂肪細胞3T3-L1を成熟脂肪細胞へと誘導し、その培養環境下で、前立腺癌細胞をコラーゲッゲル3次元培養を行い、液性因子作用の検討を行った。しかし、誘導した成熟細胞は、プレートより剥がれる状況となり、成果が得られなかった。ここで、誘導後、前立腺癌細胞とコラーゲンゲル3次元培養を行ったが、成熟脂肪細胞は長期に培養すると脂肪滴は減少し、成果が得られなかった。 2.次にラット骨髄から得た前駆脂肪細胞も上記のごとく、成熟脂肪細胞へ誘導できたが、こちらも、上記と同様であったため、成熟細胞を用いることとした。 3.コラーゲンゲルで前立腺細胞と成熟細胞で、液性因子作用と接触因子作用を検討する条件で各種3次元培養を行った。その結果、LNCaPでは、液性因子作用と細胞接触作用が増殖促進に必要であること、PC-3では、液性因子作用よりは細胞接触作用が必要であること、DU145では、液性因子作用と細胞接触作用が増殖促進と細胞分化を誘導したことが示唆された。 4.混合培養したLNCaPを用いて、cDNAmicroarrayを行ったところ、有意に発現上昇した遺伝子、数種を確認した。現在、解析を行っている。 5.また、脂肪細胞の宿主の問題もあり、倫理委員会の承認を得て、手術で得たヒト成熟脂肪細胞を用い、解析を行っている。
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Research Products
(2 results)