2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞(前駆脂肪細胞)の前立腺癌への影響:シグナル伝達の網羅的解析
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19791115
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
佐藤 勇司 Saga University, 医学部, 講師 (40363436)
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Keywords | 前立腺癌 / 脂肪細胞 / 3次元培養 / シグナル伝達 / 免疫染色 / Western Blot法 / Real-Time RT PCR / cDNA microarray |
Research Abstract |
(1) 平成20年度と同様にヒト脂肪細胞と前立腺癌細胞株の混合培養を引き続き施行した。 (2) ラット骨髄から得た前駆脂肪細胞から誘導した成熟脂肪細胞を用いた結果と同様に増殖促進と細胞分化を誘導することを確認した。 (3) 混合培養より分離したLNCaPを用いて、cDNA microarrayを行った。ANGTP1(血管新生関連遺伝子)は約270倍、TXNRD1(酸化ストレス関連遺伝子)は約130倍、MTERF(ミトコンドリア転写関連因子)は約100倍と著明に上昇している遺伝子も多数確認した。中でも細胞間接着と液性因子に注目してみると有意に発現上昇した遺伝子としてIL6とIntegrin関連遺伝子を、さらに前立腺特異的発現遺伝子PSGR2をも確認した。PSGR2はcontrol群に比べ約5倍、IL6は約4倍と上昇、Integrin関連遺伝子の中のITGB8が約4倍と上昇していた。 (4) 今回のcDNA microarray結果より発現レベルが上昇していた遺伝子のうち、細胞間接着と液性因子に関与する遺伝子について検討した。液性因子としてはIL6、細胞接着に関与するものとしてIntegrinについてそれぞれの蛋白レベルの検討に加え、前立腺特異的発現遺伝子PSGR2の蛋白レベルの検討を行った。 LNCaP細胞ではPSGR2とIntegrinの蛋白活性が数倍増強し、DU145細胞ではIntegrinの蛋白活性僅かであるが増強していた。また、ELISA法で培養液中の液性因子の検討では、IL6が僅かであるが増加していた。Pca細胞ではいずれも未確認であり、上記に加え再度検する余地がある。 (5) PSGR2遺伝子を導入した前立腺癌細胞株の作成を行う予定であったが、安定した細胞株の樹立の成功に至らなかった。こちらも更なる今後の検討が必要である。
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Research Products
(1 results)