2007 Fiscal Year Annual Research Report
停留精巣の造精機能獲得に向けた遺伝子治療と精子再生医療の研究
Project/Area Number |
19791118
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岡田 真介 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 臨床研究医 (40381818)
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Keywords | 遺伝子導入 / 造精機能 / 転写因子 / アデノウイルスベクター / 停留精巣 / 増殖因子 |
Research Abstract |
これまで私達が用いてきた停留精巣モデルラットを本研究では用いた。停留精巣モデルラットは非ステロイド性抗アンドロゲン剤であるflutamideを,妊娠Sprague-Dawleyラットに15mg/日・腹腔内投与し,生まれてきた仔を停留精巣モデルラットとして用いた。(実際には約80%の雄ラットが停留精巣モデルとなった。本停留精巣モデル精巣の陰嚢を切開し精巣を脱転。精巣網より微小ガラス管を挿入し,増殖因子であるEGF,TGFB,IGFを1注入。14週で屠殺し,精巣容量,精巣の光学的顕微鏡による造精機能の観察およびTUNEL染色によるアポトーシスの観察,精子運動能,妊孕性の確認によって行った。EGFにより造精機能は劇的に改善し,アポトーシスは低下した。また精巣上体内精子の精子運動能は改善した。その他の増殖因子であるTGFB,IGF1投与によっては造精子機能の変化は残念ながら認められなかった。精巣への増殖因子(EGF)の投与は造精機能改善に有力な治療法になりうる可能性が示唆された。 続いて,転写因子DAX-1を用いた遺伝子治療の可能性を探るため,Dax-1遺伝子導入アデノウイルスベクターの作製した。このウイルスベクターが培養細胞でセルトリ細胞に導入されることを確認したのち,invivo gene transferによる遺伝子導入をおこなった。造精機能の改善は今のところ認められず,条件設定を再度する必要があると考えている。
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