2008 Fiscal Year Annual Research Report
停留精巣の造精機能獲得に向けた遺伝子治療と精子再生医療の研究
Project/Area Number |
19791118
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岡田 真介 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 研究員 (40381818)
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Keywords | 停留精巣 / 遺伝子導入 / セルトリ細胞 / 増殖因子 / 男子不妊症 |
Research Abstract |
これまで私達が用いてきた停留精巣モデルラットを本研究では用いた。停留精巣モデルラットは非ステロイド性抗アンドロゲン剤であるflutamideを、妊娠Sprague-Dawleyラットに15mg/日・腹腔内投与し、生まれてきた仔を停留精巣モデルラットとして用いた。EGFにより造精機能は劇的に改善し、アポトーシスは低下したことを確認したが、そこにセルトリ細胞における乳酸合成が関与することを明らかにした。セルトリ細胞培養株へEGFを投与したところ、同様に、乳酸合成を活性化させることが明らかになった。停留精巣の主要な合併症のひとつに、男子不妊症があげられ、精巣固定術だけでは妊孕性を保つ有用な治療法ではないことが明らかになっている。本研究では精巣への増殖因子(EGF)の投与は、セルトリ細胞を刺激することにより造精機能改善し、今後停留精巣に対する男子不妊症を予防するための治療法になりうる可能性が示唆された。 また、昨年にひきつづいて、転写因子DAX-1を用いた遺伝子治療の可能性を探るためDax-1遺伝子導入アデノウイルスベクターの作製し、in vivo gene transferによる遺伝子導入をおこなった。遺伝子導入の機械的刺激により細胞のダメージが大きく、造精機能の劇的な改善は認めなかった。しかしながら培養細胞へのDax-1遺伝子導入を行ったところ、セルトリ細胞におけるStem cell factorの発現が上昇することがわかった。遺伝子導入法の改善などが今後の課題と思われた。
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