2008 Fiscal Year Annual Research Report
停留精巣組織で特異的発現をする遺伝子群の精巣分化・発生における役割
Project/Area Number |
19791123
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
水野 健太郎 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 臨床研究医 (70448710)
|
Keywords | 停留精巣 / 精巣固定術 / Sermatoenesis / 細胞分化 / Subtraction法 |
Research Abstract |
1 停留精巣モデルラットの作成および精巣の組織学的検討 前年度は、実験的停留精巣モデルラットを使用し精巣固定術の効果を検討したが、これにより早期手術が造精機能障害を抑制することを実験的に明らかにすることができた。本年度には、停留精巣状態での造精機能障害の原因を検討するため、NF-kB関連タンパク質の発現を組織学的に検討した。その結果、停留精巣組織ではNF-kB発現が亢進しており、アポトーシスが増加していた。停留精巣におけるgerm cell apoptosisにNF-kBの活性化が関与しており、これが造精機能障害の-因と考えられた。 2 ヒト停留精巣組織で特異的発現する遺伝子群の探索 前年度までの研究成果により、Subtraction法によって停留精巣組織で高発現する18遺伝子、発現低下する16遺伝子を同定することができた。遺伝子発現の相対定量を行い、TPT1, EEFIA1, NuMA1の3遺伝子で有意差を確認できた。発現低下群では、有意差を認めなかいが、CLU遺伝子の発現低下を確認できた。 さらに3遺伝子(TPT1, EEFIA1, NuMA1), について、成獣マウス精巣やヒト精巣組織における免疫染色を行ったところ、TPT1, EEFIA1はgerm cellに、NuMA1はgerm cellとSertoli cellに、いずれも精細管stage spectficな発現を認めた。Gemcenでは、いずれもspermatogoniaに発現が見られ、ヒト精巣での検討でも同様の結果であった。停留精巣では同年代の正常精巣に比べ、精子形成細胞の分化抑制が起こっていると考えられるが、これらの遣伝子発現変化はその性質を反映しているものと推察された。
|
Research Products
(5 results)