2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現情報に基づく腎盂尿管腫瘍に対するMVAC化学療法感受性予測法の確立
Project/Area Number |
19791125
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
高田 亮 Iwate Medical University, 医学部, 助教 (00438467)
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Keywords | 腎孟尿管癌 / M-VAC化学療法 / オーダーメイド医療 / 感受性予測 / 遺伝子発現情報 |
Research Abstract |
われわれが以前構築した、浸潤性膀胱癌に対するM-VAC術前化学療法感受性予測システムは、膀胱癌患者のM-VAC療法感受性を高精度に予測可能であった。一方、腎孟・尿管腫瘍は膀胱癌と同様の尿路上皮よりなる腫瘍であり、その解剖学的な理由から膀胱癌よりも予後が不良とされる。 われわれは尿管腫瘍に対しても予後改善効果を期待して術前化学療法を施行しているが、膀胱癌同様、その奏功率は50%程度である。そこで膀胱癌に対するM-VAC術前化学療法感受性予測法によって腎孟尿管癌のM-VAC療法感受性が予測か可能か、また腎孟尿管癌の網羅的な遺伝子発現プロファイルの検討により、腎盂尿管癌と膀胱癌の遺伝子発現の相違を検討すべく研究を行った。 本年度は前年度に引き続き、化学療法が施行された腎孟尿管癌10例の組織検体を用いて研究を行った。前年度分を含め、奏効例は6例、非奏効例は9例であった。前年度の研究で、腎孟尿管癌においてもわれわれが以前構築した感受性予測法によって膀胱癌と同様の予測精度が得られることが判明したので、10例についてはリアルタイムPCR法を用いた感受性予測をおこなった。方法は、手術あるいは生検によって採取された腎孟尿管癌組織より、マイクロダイセクション法によって腫瘍細胞のみを選択的に採取。腎孟尿管癌特異的なRNAを抽出し、リアルタイムPCR法をもちいて感受性予測14遺伝子の発現検討をおこなった。その結果、'奏効群においては6例中4例、非奏効群においては9例中6例の感受性を予測可能であった。統計学的には感度・特異度共に66.7%であり、更に感受性群を基準にすると、陽性予測率は57.1%、陰性予測率は75.1%であった。すなわち、本予測法で腎孟尿管癌に対するM-VAC療法の感受性予測は可能であるが、感度・特異度ともやや低下しており、腎孟尿管癌特異的な感受性予測法の構築が必要であると考えられた。
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Research Products
(5 results)