2009 Fiscal Year Annual Research Report
精嚢分泌タンパク質による膜ラフトを介した精子機能制御機構の解明
Project/Area Number |
19791128
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
吉田 薫 Toin University of Yokohama, 先端医用工学センター, 講師 (70398973)
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Keywords | 精子 / 受精能 / 膜ラフト / 糖脂質 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
本申請課題の研究期間においては精嚢分泌タンパク質による精子膜ラフト構造の制御を介した精子運動・受精能獲得の抑制機構について研究を行っている。精子における精嚢分泌タンパク質SEMGによる膜ラフト構造への影響を明らかにするために、昨年度に引き続きガングリオシドGM1に対するSgの結合について検討を行った。本検討にはFar-western法を用いたが、現在のところ特異的なシグナルは得られていない。脂質の抽出にはBligh&Dyerの方法を用いているが抽出効率が悪いのでさらなる検討が必要と考えられる。また、別の分子間結合測定法である水晶発振子マイクロバランス法を用いた検討を行った。水晶発振子上に固定された膜画分に対するSEMGの結合は観察されているが、CTBによる結合阻害は見られていない。免疫沈降法での検討について、膜タンパク質の抽出法については、検討の結果、窒素キャビテーションと超遠心により精子の膜画分を調整し、NP-40を用いて可溶化を行うことに決定した。免疫沈降の条件検討は行ったが、現在のところこれまでに報告のある低分子量のアダブタータンパク質は見られているが、特異的な膜タンパク質は得られていない。しかしながら、SDS-PAGEでの検討により免疫沈降された画分には泳動阻害を起こす物質が含まれており、恐らく脂質だと考えられる。従って、やはりSEMGと精子膜脂質の直接相互作用も視野に入れた検討が必要であると考えられる。
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