2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規卵巣由来パラクライン因子を用いた卵子体外成熟法の確立とその臨床応用
Project/Area Number |
19791133
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
河村 和弘 Akita University, 医学部, 助教 (10344756)
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Keywords | 卵 / 体外成熟 / パラクライン因子 / 卵巣 / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
本年度は動物実験による基礎的検討を行い、体外成熟がもたらす卵の核・細胞質成熟不全が、受精後の胚にどのような遺伝子レベルでの影響を及ぼすか検討していった。マウス体外成熟卵と体内成熟卵を体外受精して得られた受精卵を培養し、2細胞期、4細胞期、8細胞期,桑実胚、胚盤胞の各発育段階に達した着床前期胚をそれぞれ50個集め、tRNAを抽出し、DNAマイクロアレイのサンプルとしたDNAマイクロアレイにより体外成熟卵と体内成熟卵から得られた胚の遺伝子発現の比較検討を行なづたところ、両者の間に異なった遺伝子発現プロファイルが認められた。そこで、この遺伝子発現プロファイルをマーカーにし、我々が見出した卵成熟を誘導する新規卵巣由来バラクライン因子と既知の因子を組み合わせ、理想的な体外成熟培養液の検討を進めた。各至適濃度のInsulin-like 3, BDNF,EGF like growth factors,FF-MAS, leptin, insulin-like growth factor-Iを全て体外成熟培養液に加え、(1)卵核胞崩壊(2)第1極体放出、(3)卵の受精率、(4)胚発生率のパラメーターを用いて卵巣由来パラクライン因子の相互作用による未成熟卵の体外成熟誘導への効果を形態学的に検討した。その結果、全てのパラメーターにおいて、各パラクライン因子を個別に用いた時に比較し、より効果的な促進作用が認めちれたが、体内成熟卵での成績には及ばず、さらなる因子の関与が考えられた。現在、我々の研究グループの他のプロジェクトにおいて、卵成熟を誘導する卵巣由来バラクライン因子の綱羅的検討が進行中であり、いくつかの重要な因子が同定されつつある。今後はそれらの因子を含めて再検討を行ない、さらに効果的な体外成熟培養液を作製し、DNAマイクロアレイの手法を用いて、卵巣由来パラクライン因子の相互作用の遣伝子レベルでの効果を検討する
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Research Products
(8 results)