2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791136
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岸 裕司 Gunma University, 医学部, 助教 (10375545)
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Keywords | 体外受精胚移植 / 顆粒膜細胞 / mRNA |
Research Abstract |
試料には、体外受精胚移植治療を行った際に、副次的に得られる顆粒膜細胞を用いた。体外受精胚移植治療周期では、卵採取を行う際、卵子(oocyte)はcumulus cellsに覆われたcumulus oocyte complex(COC)の形で回収される。顕微授精を行う際には、このCOCよりcumulus cellsのみを剥がし取り、卵子単体の状態として、顕微鏡下に穿刺針を用いて精子の注入を行う。通常、このcumulus cellsや卵胞穿刺とともに吸引されてくるmural granulose cellsは廃棄されてしまうこととなるが、これらを回収し、そこで発現している遺伝子(mRNA)の状態を調べることにより、その卵胞の状態把握を目指した。問題点としては、回収されてくる顆粒膜細胞の量が、当初期待していたものよりも少ないことが多く、実験に供するにあたって、十分量のRNAを確保できない例が多かったことが、まず挙げられる。最近、卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠回避の為、不妊治療で排卵誘発を行う際、過度の多発排卵は抑制される方向にあり、これに伴い、回収される卵子(COC)の数も減少している。顆粒膜についてもその収量は減少傾向にあり、卵子の数量増加による収量アップは望めない。今後は、顆粒膜の回収をより徹底させる等、できる範囲での努力を行う必要があろう。現在、一定量の回収が可能であった試料において遺伝子解析を進めている。まずは、以前より我々が取り扱ってきたLH受容体の発現について計測を行っているが、この遺伝子の今回の試料での発現は、非常に低いものとなっている。internal standardとして使用している遺伝子の発現は十分に検出できていることから、手技には大きな問題は無いと考えており、今後、検討遺伝子については再考が必要と考えている。
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