2007 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍特異的増殖性アデノウイルスを用いた子宮癌細胞の可視化とスクリーニング法の開発
Project/Area Number |
19791141
|
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
毎田 佳子 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, がん性幹細胞研究プロジェクト, 研究員 (20397219)
|
Keywords | 癌 / ウイルス / 遺伝子 / 細胞・組織 / 臨床 / スクリーニング |
Research Abstract |
テロメレースは悪性腫瘍特異的に発現しており、婦人科癌の90%以上がテロメレース活性を示す。がん特異的なテロメレース活性化はhTERTの発現の有無により規定されている。我々はhTERT promoter制御下に自己複製するアデノウイルスベクター(Tumor specific replicative adenovirus ; TRAD)を作製した。TRADは癌細胞特異的に増殖する。本研究ではTRADの癌特異的増殖をスクリーニングに応用し、微量検体からの効率的かつ客観的な癌スクリーニング法の開発を目的とした。 1, TRAD-GFPの感染とGFP検出に関する基礎実験 TRADにGFP遺伝子を組み込み、TRAD感染細胞をGFPの発光によって検出するシステムを構築した。細胞株および子宮擦過細胞検体にTRAD-GFPを感染させ、適切な条件下で24時間培養したのち、癌細胞を含むサンプルにおいてGFPの蛍光が観察された。 2, GFP発現によるスクリーニング感度・得意度の検討 子宮癌細胞株と正常細胞を種々の比率でまぜTRAD-GFPを感染させた。蛍光顕微鏡にて観察し、GFPの発現は癌細胞に特異的であること、および、GFPに基づいて癌細胞を感度良く検出できることを確認した。 3, GFP発現による臨床検体のスクリーニング 健常者および癌患者より採取された子宮頸部および体部の擦過細胞検体にTRAD-GFPを感染させ、GFPの発現を指標としたスクリーニングの感度・得意度につき検討した。癌患者におけるGFP陽性率は90%以上であり、本スクリーニングが極めて高い感度を有することが示唆された。 4, TRAD-GFPと他の遺伝子異常とを組み合わせたスクリーニングに関する検討 子宮頚癌細胞株C-33Aと正常細胞を種々の比率で混ぜ、一方はそのままDNAを抽出する。他方はTRAD-GFPを感染させた後、GFP陽性細胞をsortingにより回収し、回収された細胞からDNAを抽出する。これのDNAを用いてp53mutationにつき検討したところ、TRAD-GFP感染後のsortingによりmutationの検出感度が上昇した。
|
Research Products
(1 results)