2008 Fiscal Year Annual Research Report
エストロジェンの増殖抑制作用の発現メカニズムの解明
Project/Area Number |
19791144
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
三井 哲雄 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (20402084)
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Keywords | マイクロアレイ / 遺伝子 / シグナル伝達 / 細胞増殖 / エストロジェン |
Research Abstract |
ラット下垂体前葉初代培養細胞を実験モデルとして用い、IGF-1誘導性のプロラクチン産生細胞増殖に対するエストロジェンの増殖抑制作用のメカニズムを解明するために、DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析を行い、遺伝子発現が変化した複数の遺伝子を見出した。発現が変化した遺伝子にはNFκB経路に関連するものが複数含まれていたことから、特にBcl-3遺伝子発現の低下に着目し、エストロジェシ作用時の遺伝子発現低下をアデノウィルスベクターを介してBcl-3遺伝子発現を補うことでエストロジェンによる増殖抑制作用が阻害されるかどうかを調べた。テトラサイクリン誘導性にBcl-3を発現するアデノウィルスベクター(Ad-Tet. On+Ad-TRE/Bcl3)、コントロールとして、βgalを発現するアデノウィルスベクター(Ad-Tet. On+Ad-TRE/βal)を作成し、ラット無血清培養下垂細胞に感染させた。Doxycycline投与により導入遺伝子を過剰発現させた結果、ゴントロールとしてβ-galを過剰発現させた場合にはユストロジュンによるプロラクチン産生細胞増殖抑制効果に対ずる影響は見られなかった。一方で、Ad-TRE/Bcl-3を感染させてもDoxycycline非投与時にはエストロジェンによるプロラクチン産生細胞増殖抑制効果に対する影響は見られなかったが、Doxycycline投与によってBcl-3を過剰発現させるとその抑制効果が消失した。このことから、エストロジェンによるIGF-1誘導性のプロラクチン産生細胞増殖に対する抑制作用のメカニズムには、少なくともBcl-3遺伝子発現の抑制が関わることが示唆された。
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Research Products
(2 results)