2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期に基づくタキサン化合物耐性機序の解明と耐性克服の試み
Project/Area Number |
19791151
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐藤 慎也 Tottori University, 医学部・附属病院, 助教 (10423261)
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 / 薬剤耐性 / 細胞周期 |
Research Abstract |
卵巣癌細胞株とパクリタキセル耐性卵巣癌細胞株を用いて細胞周期関連遺伝子,アポトーシス関連遺伝子,抗癌剤耐性遺伝子の発現プロファイルを比較検討する.卵巣癌におけるパクリタキセル誘導アポトーシス,パクリタキセル耐性の機序を明らかとし、基礎的治験に基づいた耐性克服の新たな戦略をたてることを目的とした。 卵巣漿液性腺癌細胞株 (KF, SK-OV-3, SHIN-3) ,パクリタキセル耐性誘導株 (KFTx) を用いて以下の検討をおこなった.MTT assayによりパクリタキセルに対するIc50を算出した.さらにPI3K阻害剤であるLY284002(LY), MAPK阻害剤PD98059(PD)添加による変化を検討した.LYおよびPDの添加ではパクリタキセル感受性の変化はほとんど認められなかった.しかしながら,LYとPDの同時添加では有意な細胞増殖抑制効果が得られた.Median effect法による検討で,LYとPDの併用効果はすべての細胞において相乗効果であることが確認された. Western blot法により細胞周期関連蛋白 (MEK, phospho-MEK, Akt, phospho-Akt) 発現を検討した. パクリタキセル暴露後にphospho-MEK発現はすべての細胞株で増強した.LYおよびPDの添加によりそれぞれphospho-Akt,phospho-MEK発現が抑制された,PD添加ではphospo-Akt発現の増強が認められた.
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