2007 Fiscal Year Annual Research Report
Digital Karyotypingを用いた卵巣明細胞腺癌の新規分子標的の検索
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19791152
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中山 健太郎 Shimane University, 医学部, 助教 (70346401)
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Keywords | 卵巣癌 / 分子標的 |
Research Abstract |
研究の目的:卵巣癌に対する有効な治療薬は確立されていないSerialAnalysisGeneExpression(SAGE)を用いて網羅的な遺伝子発現解析を行い、卵巣癌特有の遺伝子変化を同定し、卵巣癌の治療を目指した分子標的を同定する事を目的とした。 卵巣癌のSAGEライブラリーを作成した。その中でも、近年、造血器腫瘍を中心癌遺伝子の機能がクローズアップされているBTB/POZ遺伝子群に注目した。BTB/POZ遺伝子群の中でNAC-1遺伝子が有意に高発現している事を発見した。抗NAC-1マウスモノクローナル抗体を作成し臨床病理学的検討及び機能解析を行った。尚、本研究に関しては倫理委員会での承認が得られている。 抗NAC-1抗体を用いた免疫組織染色及びReal-timePCR法を用いた遺伝子発現解析にてNAC-1は再発卵巣癌で発現が有意に高かった。同一症例で初回手術時の組織と再発手術時の組織で比較すると、再発時のほうが有意にNAC-1の発現が上昇していた。初回手術時の組織で発現の高い症例は6ケ月以内の再発率が有意に高かった。NAC-1を遺伝子導入した正常卵巣上皮細胞はVectorのみ導入した細胞に比べ、細胞増殖能、足場非依存性増殖能が亢進していた。NAC-1安定導入株をヌードマウスに移植すると腫瘍が産生された。 NAC-1安定導入株はVectorのみ導入した細胞に比べabnormalmitosisの数が有意に上昇していた。NAC-1安定導入株は低栄養下で抗アポトーシス能が亢進していた。 NAC-1は再発卵巣癌関連の新規癌遺伝子であり細胞生存に関与しており、再発卵巣癌治療の分子標的になり得ると考えられた。
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Research Products
(4 results)