2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791170
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
近藤 朱音 Tokai University, 医学部, 助教 (00384884)
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Keywords | メチル化 / 胎盤 / 生殖医療 |
Research Abstract |
本研究は受精卵の段階での相違が発生・成長後のメチル化状態に変化に影響を与えているかどうかについて検討するものである。初期胚の時点では胚の状態を示す形態学的分類であるVeeck分類(Veeck et.al., 1983)がある。この分類にて良いグレードの受精卵であれば妊娠率も高く、形態学的に良好でない場合には妊娠に至らない場合が多い。初期胚の分析においては特に良好胚の解析数が少なく明らかなメチル化状態の変化は認められなかった。そのため今年度は正常妊娠と体外受精を施行して受精卵の形態学的分類が確実になされている妊娠症例について胎盤を用いた解析を行った。主な発生及び胎盤に関する遺伝子領域のうち、PGF(Placenta Growth Factor)に注目してCpG領域におけるメチル化状態について解析した。それぞれの群においての決定的な相違は認めていないものの、メチル化状態は均一ではなく、双胎妊娠においてもそれぞれの児のメチル化状態は異なっていた。最終的に2絨毛膜双胎であっても単一の胚からの発生であるかそうでないかによっても結果は異なる可能性があるためその検討も追加する必要性があると思われた。また生殖医療を要した妊婦ではその他の合併症があることも少なくないため、今後は生殖医療による影響に限定せず、胎盤をもとに網羅的なメチル化状態を検討することで、最終的には様々な合併症が妊娠帰結に与える影響について解析を行いたいと考える。
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