2007 Fiscal Year Annual Research Report
母体カロリー摂取制限による胎児オートファジーの誘導と発育への影響に関する解析
Project/Area Number |
19791173
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
根本 崇宏 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (40366654)
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Keywords | 低体重児 / カロリー摂取制限 |
Research Abstract |
摂取カロリー制限や偏食も低出生体重児のリスクファクターであると考えられている。胎児の発育や機能分化のための栄養素は全て母体の食事に依存しており、適切な時期に適切な栄養素が供給されないと低出生体重児が生じることも明らかになっている。母体のカロリー摂取不足で胎児への充分な栄養が供給されないと、発生・分化途中の胎児組織でオートファジーが誘導され、発育の遅延や異常が発生するのではないかとの仮説を申請者は立て、母体カロリー摂取制限による胎児オートファジーの誘導と低出生体重児や子宮内胎児発育遅延の関連を明らかにすることを本研究課題の目的とした。交配後の給餌量をコントロールラットの60%あるいは80%に制限した母体から生まれた仔ラットの体重は妊娠期間を通して自由に摂食した母ラットの仔よりもそれぞれ20.3%あるいは17.5%軽かった。また、この低体重は生後6週齢までの観察では回復せず、6週齢での体重比較でも軽いままであった。しかし、体重増加率には有意な変化は見られなかった。カロリー制限母ラットの妊娠期間や出産数、仔ラットの6週齢までの生存率や出生児の体重あたりの臓器重量および肉眼的形態には変化が無かった。飢餓などでオートファジーが誘導されやすい肝臓で、低出生体重仔ラットのオートファジーの誘導をウェスタンブロッティング法で解析したが、コントロール仔ラットの間に変化は見られなかった。来年度はカロリー制限母体から出生した仔ラットの食行動や不安行動の観察を行い、出生時低体重の成長後の影響を検討すると共に、飲水中へのアミノ酸などを補給することでの出生時低体重の回避の可能性について検討を行う。
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