2007 Fiscal Year Annual Research Report
胎児-母体間免疫におけるトリプトファンの役割、およびその作用機構の解明
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19791177
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
岡本 威明 Kawasaki Medical School, 医学部, 助教 (20398431)
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Keywords | トリプトファン / インドールアミン酸素添加酵素 / 転写調節因子 / IFN-γ / 免疫調節因子 / NF-kBシグナリング / 必須アミノ酸 / 胎児-母体間免疫 |
Research Abstract |
これまでに、IFN-γ刺激に対して感受性が高く、強力なインドールアミン酸素添加酵素(IDO)の発現誘導が認められる細胞株として、マウス直腸ガン細胞株CMT-93ならびにヒト類表皮ガン細胞株A431が報告されている。近年我々は、CMT-93細胞においてトリプトファンがIFN-γ誘導性IDO発現を抑制することを報告してきた1)。そこで、本年度はA431細胞において、トリプトファンによるIFN-γ誘導性IDO発現の調節機構をNF-kBシグナリングおよびJal-Statシグナリングに着目して検討した。IDOmRNA発現レベルの解析においては、Real timeRT-PCR法を用いた。その結果、トリプトファンは、75μMの培地への添加でA431細胞におけるIFN-γ誘導性IDOmRNA発現を、最大2.2倍に増強した。このトリプトファンによる増強効果は、他のアミノ酸であるフェニルアラニンやメチオニンでは認められなかった。また、細胞内でのNF-kB発現レベルは、トリプトファン刺激により増大した。さらに、トリプトファンによるIDOmRNAの増強効果はNF-kB活性化阻害剤として作用するプロテアソームの特異的阻害剤Lactacystin(10μM)処理により完全に消失することから、NF-kB活性化シグナリングの関与が示唆された。トリプトファンによるIFN-γ誘導性IDOmRNA発現の調節機能は、IDOの基質であるトリプトファンに特異的なものであり、そのIDOmRNA発現増強の作用機序として、Jak-StatシグナリングよりもむしろNF-kBシグナリングの関与が示唆された。 1)Okamoto et. al.,Cytotechnology54;107-113,2007
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Research Products
(9 results)