2007 Fiscal Year Annual Research Report
鼻性NK/T細胞リンパ腫におけるEBウイルス膜蛋白の発現機構と機能解析
Project/Area Number |
19791180
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高原 幹 Asahikawa Medical College, 医学部, 助教 (50322904)
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Keywords | Epstein-Barr virus (EBV) / 鼻性NK / T細胞リンパ腫 / Latent Membrane protein 1 (LMP1) / サイトカイン / IL-10 / CD25 |
Research Abstract |
1.鼻性NK/T細リンパ腫細胞株SNK6におけるLMP1の発現調節 鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株SNK6はIL-2依存性細胞株であるが、IL-2非存在下で培養すると、LMP1の発現が著名に低下した。また他のサイトカインでの刺激実験を行うと、IL-10、15にて著名な発現亢進を、IL-2、INF-γでは中程度の発現亢進を認めた。また、他のEBV陽性NK細胞株であるSNK1やKAI3でも同様なLMP1の発現調節が認められた。またSNK6においてサイトカインの産生能を培養上清におけるELISAにて検討するとINF-γやIL-10を産生していることが判明した。従ってINF-γやIL-10の抗体を使用し、作用を中和すると著名にSNK-6のLMP1発現が低下した。またINF-γやIL-10はIL-2により発現が亢進し、IL-2の存在下でINF-γやIL-10の中和抗体を使用すると同様にLMP1の発現が低下した。従ってIL-2がINF-γやIL-10の産生を亢進しオートクラインによってLMP1の発現を増強している可能性が示唆された。 2.鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株SNK6におけるLMP1の機能 上記によりIL-10がLMP1の増強因子であることが判明したが、SNK6へのIL-10刺激実験でのMTSや細胞カウント法による検討において、特に細胞増殖能の亢進は認められなかった。しかし、Bリンパ球由来EBV陽性細胞株においてLMP1により発現が増強されることが知られるCD25やCD54の発現がSNK-6においてもIL-10刺激実験にて亢進することが判明した。この現象はEBV陰性NK細胞株では認められないため、これらの発現亢進はLMP1を介している可能性が示唆された。CD25はIL-2の感受性を亢進させることが知られており、本細胞株においても同様の作用を持つ可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)