2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しいドラッグデリバリーシステムを用いた内耳再生医療へのアプローチ
Project/Area Number |
19791183
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
二井 一則 Hirosaki University, 医学部附属病院, 助教 (40431457)
|
Keywords | ドラッグデリバリー / 内耳保護作用物質 / デキサメタゾン / 正円窓膜 |
Research Abstract |
内耳器官培養を用いた内耳保護作用物質の種類と濃度の検討 ラセン神経節細胞に関しては、単剤のみならず複数の物質の組み合わせにより、保護効果が高くなることが既にわかっており、申請者の施設で解明した物質と既知の内耳保護作用物質の組み合わせを検証することにより、より高い保護効果が得られるものと考えられる。 申請者の研究では、マウスラセン神経節細胞の培養実験において付加する栄養因子のうちNT-3とBDNFの組み合わせでラセン神経節細胞の生存と神経突起の伸長が最大であった。また、IL-6と可溶性IL-6受容体の組み合わせでも良好な結果が得られている。いずれも50ng/mlという濃度において良好な結果が得られている。しかしこれらneurotrophic factorのほとんどが臨床応用が困難である物質であるため、臨床で広く使用されている急性感音性難聴の治療薬であるデカドロン(成分名:デキサメタゾン)についても検討を進めている。静注で用いる量よりも高濃度で内耳に到達させることのできるデキサメサゾンの鼓室内投与は既に臨床で使用されている。 一方、内耳への投与方法については現在中耳腔への直接的投与が一般的であり、正円窓膜を介した蝸牛への薬剤の浸透によるものが中心となっている。より効率よく蝸牛へ薬剤を浸透させるためには正円窓膜の透過性を増加させる前処置が有効であると考えられ、膜の透過性を増加させる因子についても検討を進めている。
|