2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しいドラッグデリバリーシステムを用いた内耳再生医療へのアプローチ
Project/Area Number |
19791183
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
二井 一則 Hirosaki University, 医学部・附属病院, 助教 (40431457)
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Keywords | ドラッグデリバリー / 内耳保護作用物質 / デキサメタゾン |
Research Abstract |
内耳保護作用物質の内耳への投与方法の検討 IGFをハイドロジェルに混合して鼓室内に留置することにより、正円窓経由でIGFが内耳へ移行することがわかっているが、内耳への薬剤の伝達効率をあげることでその保護効果を増強させることができると考えられる。内耳投与の方法としては、正円窓経由の他に蝸牛へ直接作成した穿孔を経由して投与する方法がある。一時的な投与の場合はシリンジポンプを用いた注入方法が用いられ、動物実験の場合は一連の麻酔導入時間に薬剤投与が行われる。持続的な投与の場合は浸透圧ポンプを皮下に埋め込むことで麻酔覚醒後も持続投与が可能となる。今年度はこの蝸牛開窓による薬剤投与の手技をハイドロジェルを用いた内耳投与で臨床経験のある京都大学医学部耳鼻咽喉科教室に赴き体得した。正円窓経由の投与方法は比較的低侵襲である反面、正円窓周囲に存在する膜様組織や複雑な立体構造のために内耳へ薬剤が到達する経路に個体差が生じる可能性があり、薬剤効果の検証という点において蝸牛内直接投与より正確さに劣ると考えられる。蝸牛内への直接投与は侵襲が大きく臨床応用には難点が多いが、内耳保護作用物質の同定において正円窓経由よりもより確実に投与が行え、個体差によるデータのばらつきが低減されると考えられた。 一方正円窓経由の投与方法においても、より確実に行う手段として内視鏡を併用することを検討しており、トルコで行われた8th international conference on cholesteatoma & ear surgeryにて内視鏡を用いた耳科手術手技のセッションに出席し、発表者と情報交換を行った。
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