2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791185
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 健一 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (10431579)
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Keywords | 喉頭白板症 / 葉酸 |
Research Abstract |
前年度の研究にて、早期喉頭癌症例21例と喉頭白板症症例16例間における血中葉酸値の差は認められなかったが、喉頭白板症症例における喫煙者と非喫煙者間での血中葉酸値は、有意差はないものの喫煙者で低値を示す傾向があることが分かった。葉酸受容体FR-αは、様々な上皮性腫瘍において過剰に発現することが報告されており、腫瘍増大に関与することが考えられている。喉頭癌、喉頭白板症および正常声帯粘膜における葉酸受容体FR-αの発現および局在について検討するため、免疫組織染色法を行うこととした。東北大学病耳鼻咽喉・頭頸部外科にて全身麻酔下に喉頭微細手術が行われた症例において、同意を得られた扁平上皮癌症例2例、喉頭白板症症例1例(病理報告は過形成)、および対照用の正常声帯粘膜2例を採取した。検体は、パラホルムアルデヒド固定後に脱水、パラフィン切片に埋め薄切切片とした。ポジティブコントロールとして、上皮細胞に発現するCK19タンパクに対する抗体を用いた。抗FR-α抗体は免疫組織染色用の一次抗体を購入使用した。結果はコントロールとして用いた抗CK19抗体は扁平上皮癌、喉頭白板症、正常粘膜上皮いずれも上皮に発現を確認でき、組織切片としての妥当性が証明できた。しかし抗FR-α抗体は抗原賦活化や抗体希釈濃度の調整等を行ったが、いずれの検体でも明確な発現が認められなかった。組織のポジティブコントロールとして他臓器上皮性腫瘍の使用、抗FR-α抗体の変更、in-situ hybridizationの様な分子生物学的手法などの検討が今後必要である。
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