2007 Fiscal Year Annual Research Report
難聴遺伝子GJB2と6変異による難聴発症機序の解析
Project/Area Number |
19791195
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 卓 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 助教 (40401400)
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Keywords | 遺伝性難聴 / GJB2 / GJB6 / 難聴遺伝子 |
Research Abstract |
非症候群性難聴の原因遺伝子として最も高頻度に変異がみられるものはGJB2(ギャップジャンクションβ2)であり、欧米では孤発性の先天性高度難聴の約3分の1、劣性遺伝の高度感音難聴症例の約半数の原因遺伝子とされている。われわれのこれまでの研究成果でも268家系の非症候群性劣性遺伝難聴のうち26家系(9.7%)にGJB2変異が認められた。GJB2はイオンチャネルを構成するコネキシンタンパクの1つであるコネキシン26をコードする遺伝子である。コネキシンは6つ集合して1つのコネクソンを形成し細胞間結合のギャップ結合タンパクとして細胞膜に存在している。一方、GJB6はコネキシン30をコードしており成熟した内耳ではコネキシン26と30が多く存在していることが報告されている。コネキシン26と30はヘテロメリックなコネクソンを形成し、チャネルもさまざまな組み合わせで形成される。GJB2とGJB6を含む欠失によるDFNB1複合遺伝子座の変異の検出を目的として、当施設において、家族性難聴もしくは原因不明の両側性感音難聴を示し、研究協力が得られる約600症例から血液を採取しDNAを採取した。GJB2の翻訳領域における変異の有無を直接シーケンス法により検索したところ、数十例にヘテロ接合のGJB2変異者が同定された。現在、GJB2の非翻訳領域に一塩基置換や欠失がないことを直接シーケンス法により確認している。その後、Δ(GJB6-D13S1854)を検出する適当な3つのプライマーを用い、欠失がみられるかどうかを明らかにする予定である。
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