2007 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚系のグルタミン酸興奮毒性についてのパッチクランプ法による検討
Project/Area Number |
19791196
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鷹合 秀輝 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, COE拠点形成特別研究員 (70401354)
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Keywords | グルタミン酸興奮毒性 / NMDA受容体 / 電位依存性カルシウムチャネル / Gタンパク質 / ナトリウム / 聴覚系 / シナプス / パッチクランプ |
Research Abstract |
本研究な聴覚系のグルタミン酸興奮毒性についてパッチクランプ法により検討するものであるが、イオンチャネル型グルタミン酸の一つであるNMDA受容体が台形体のシナプス前部に存在し、グルタミン酸作動性のシナプス伝達を制御することが明らかとなったので、本年度はそのメカニズムの探求に努めた。その結果、シナプス前部NMDA受容体の活性化により電位依存性カルシウムチャネルの抑制が起こり、グルタミン酸による興奮性シナプス伝達が抑制されるという新規知見が得られた。更に、この現象は細胞内Ca^<2+>やGタンパク質の仲介を受けず、細胞外Na^+ないしは細胞内へのNa^+の流入がトリガーとなっていることが分かった。聴覚中枢の台形体のシナプス前部には代謝型グルタミン酸受容体とAMPA受容体が存在し、Gタンパク質依存性に電位依存性カルシウムチャネルを抑制することが知られていたが、今回それに加えてNMDA受容体によってもGタンパク質非依存性に電位依存性カルシウムチャネルの抑制が起こることが明らかとなり、高濃度のグルタミン酸存在下では、この3つのカスケードが同時に働くことにより、グルタミン酸興奮毒性から自己を防御すべく機能している可能性が示唆された。 一方、蝸牛内有毛細胞へのパッチクランプ法の適用については、研究代表者が2008年1月22日より1月26日までドイツ・ゲッティンゲン大学にて開催されたトレーニングコースに参加して、基礎的な技術を習得してきた。これを生かして、シナプス前部NMDA受容体の研究が完了しだい、蝸牛内有毛細胞のイオンチャネル型グルタミン酸受容体に関する実験を開始する予定である。
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Research Products
(4 results)