2008 Fiscal Year Annual Research Report
MDM2プロモーター遺伝子多型の上咽頭がんに対する関与
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19791198
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
近藤 悟 Kanazawa University, 附属病院, 助教 (70436822)
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Keywords | ゲノム / ウィルス / ストレス / 遺伝子 |
Research Abstract |
1) 健常人と頭頸部癌患者の遺伝子型の比較 : 平成19年度に続き上咽頭癌患者からのゲノムDNA抽出をパラフィンブロックより施行した。また上咽頭癌患者のみならず他の頭頸部癌である舌癌、下咽頭癌患者からのゲノムDNA抽出についても試行した。頭頸部癌患者全体と健常者を比較するとGGゲノタイプで癌の発症年齢が早まるということが判明し統計学的に有意差を認めた。しかしながらその他のパラメーターとの比較について行ったが有意な差は認めることはできなかった。また上咽頭癌患者例単独では有意差となる結果は認めなかった。これらの結果については欧文雑誌に報告した(Acta Otolaryngol 2008)。 2) 頭頸部癌組織におけるMDM2, p53, 変異p53の発現量の免疫組織学的検討 : 頭頸部がん組織においてMDM2, p53にSNPゲノタイプごと免疫染色を行った。p53, MDM2ともに癌組織での発現は認めたが有意な差を認めることはできなかった。おそらく生体内ではp53とMDM2のみならず複雑にクロストークがなされておりそれにより有意な相関が見られない可能性が示唆された。 3) MDM2プロモーターに対する影響 : MDM2プロモータープラスミドをウィルス癌遺伝子をはじめとするプラスミドとともに正常上皮細胞はトランスフェクションを解析したが優位な差異は認められなかった。今回は施行しなかったが転写後のMDM2はプロテアソームユビキチン系による分解系の影響を受けることからそれらが関与したこと可能性があるのかもしれない。
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