2009 Fiscal Year Annual Research Report
内耳における遺伝子発現パターンと聴力像に関する研究
Project/Area Number |
19791202
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 伸嘉 Shinshu University, 医学部附属病院, 助教 (20377641)
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Keywords | 高音障害型感音難聴 / 老人性難聴 / 遺伝子発現パターン / レーザーマイクロダイセクション / SAMマウス |
Research Abstract |
内耳における遺伝子の発現パターンと聴力像が、どのように関連性があるのかを明らかにすることを目的に、内耳における遺伝子発現パターンの解析を行っている。本年度は老人性難聴にスポットをあてて研究を進めた。老人性難聴のモデルマウスであるSAM(Senesence Accelerated Mouse)を実験動物とした。SAMには老化促進を示すSAM-P1系統と、それに対するコントロールとして用いられ、老化促進を示さないSAM-R1という系統がある。この2つの系統の8週齢と20週齢のそれぞれ4群の間で、この内耳における遺伝子の発現量の変化をマイクロアレイを用いて検討した。今年度は、以前に用いていたスライドグラスアレイとは異なり、全遺伝子が搭載されているアレイを用いたため、全遺伝子の転写の変異をモニターすることが可能となり、新たな知見が多数得られており、現在この結果について考察を行なっている最中である。また、マウスにキシラジンとケタミンで全身麻酔を行なった後に、聴力をABR(Acoustic Brainstem Responses)を用いて評価した。トーンバーストの刺激で4,8,16,32kHzの周波数で聴力検査を行った。20週齢のSAM-P1はコントロールと比較すると、16KHzの高音域で聴力悪化を生じ始めていることを確認することができた。40週齢から急激な老人性難聴を示していた。現在SAM-P1、SAM-R1の8週齢と20週齢の計4群を比較するために、内耳からRNA抽出して、エクソンアレイで網羅的に遺伝子発現を把握するとともに、レーザーマイクロダイセクションにより、部位を摘出しRNA抽出と発現量評価を行い、高音域だけで発現量が低下する遺伝子を解析している。
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