2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子遺伝学的手法を用いた唾液腺腫瘍の新しい術前診断の試み
Project/Area Number |
19791203
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
海沼 和幸 Shinshu University, 医学部附属病院, 講師 (30334907)
|
Keywords | 唾液腺腫瘍 / 耳下腺 / 遺伝子発現パターン / 微量検体 / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
DNAマイクロアレイを用いた腫瘍関連遺伝子発現の解析 唾液腺腫瘍症例を対象に、腫瘍及び正常部唾液腺のサンプルを採取し、各々よりmRNAを抽出して、標識cDNAを調整する。腫瘍関連遺伝子を載せたDNAチップを用いて各々の組織型について特異的に過剰発現および発現抑制されている遺伝子群を検索同定してクラスター解析を行い、遺伝子発現パターンから腫瘍の組織型を特定可能なことを見いだした。 穿刺細胞吸引(FNA)微量検体からの遺伝子発現の解析 前項のマイクロアレイ解析により、唾液腺腫瘍の組織型を遺伝子発現パターンを基に分ける基盤が整ったため、穿刺細胞吸引(FNA)で得られる微量の検体からRNAを抽出し、RT-PCRを行うことで遺伝子発現を解析するための技術基盤を整えた。具体的には、得られる検体が微量であるため、cDNAを合成した後に、TdT酵素を用いて3'末端にポリA配列を付-加し、改変型オリゴdTプライマーによる部分増幅をPCR法で行う全転写産物増幅法を組み合わせることにより、極微量の検体からでもリアルタイムPCRにより遺伝子発現を解析することが可能となった。次年度以降は、FNAの微量試料から遺伝子発現解析を行い、クラスター化を行うことで唾液腺腫瘍の組織型を判別可能かどうかを検討する。 唾液腺腫瘍の臨床データの検討 前年度までに継続してすべての唾液腺腫瘍症例を対象に以下のデータを検討した。1.性別、年齢 2.部位、大きさ 3.その他の局所所見 4.が像所見 5.術前吸引細胞診 6.術中迅速病理診断 7.術式 8.摘出物病理診断 悪性腫瘍に関しては、9.臨床病期 10.局所制御率 11.累積生存率についても検討した。今年度は特に悪性腫瘍について、予後を規定する臨床症状を統計学的に解析した。
|