2008 Fiscal Year Annual Research Report
内リンパ嚢におけるイオン輸送の制御因子および制御能
Project/Area Number |
19791208
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮下 武憲 Kagawa University, 医学部, 助教 (60363214)
|
Keywords | 内耳 / 内リンパ嚢 / イオン輸送 / メニエール病 / イオンチャネル / Na^+, K^+-ATPase / イオンイメージング / パッチグランプ |
Research Abstract |
特定疾患のひとつであるメニエール病の病態は内リンパ水腫であるが、正常では内リンパ水腫が生じないように内リンパ系が調節されており、内リンパ嚢は内リンパ液の吸収をしていると考えられている。しかし、実際に内リンパ嚢がどのような働きをしているか、どのように調節されているか、その全貌はいまだ明らかになっていない。この内リンパ液の輸送能を制御することができれば、内リンパ水腫を呈するメニエール病などの根本的な治療となる可能性がある。そこで、イオントランスポーターなかでも、thiazide-sensitive Na+-C1-cotransporter、Na+, K+-ATPaseに注目した。 イオンイメージングやパッチクランプ法では同定が難しい等価のイオン輸送体であるがイオンと水の吸収器官である腎臓に発現が確認されているthiazide-sensitive Na+-C1-cotransporter、及び、非選択性陽イオンチャネルの制御因子の一つであるプリン受容体の内リンパ嚢上皮細胞への発現を遺伝子レベルで確認するため、RT-PCR, in situ hybridizationを行い、内リンパ上皮細胞への発現を確認した。また、Na+, K+-ATPaseの制御因子として注目されているFXYDのうち、FXYD6が内リンパ嚢上皮細胞に発現していることをRT-PCR, in situ hybridizationにて確認し、免疫染色により、内リンパ嚢中間部上日細胞に蛋白レベルでも発現していることを確認した。また、これまで分子生物学的手法でコンタミネーションが問題となっていたため、レーザーマイクロダイセクション法により、コンタミネーションを最小限にする方法を開発した。
|
Research Products
(17 results)