2009 Fiscal Year Annual Research Report
内リンパ嚢におけるイオン輸送の制御因子および制御能
Project/Area Number |
19791208
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮下 武憲 Kagawa University, 医学部, 助教 (60363214)
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Keywords | 内耳 / 内リンパ嚢 / イオン輸送 / メニエール病 / イオンチャネル / Na^+, K^+-ATPase / イオンイメージング / パッチクランプ |
Research Abstract |
メニエール病の病態は内リンパ水腫であるが、この内リンパ液の輸送能を制御することができれば内リンパ水腫を呈するメニエール病などの根本的な治療となる可能性がある。そこで、内リンパ液を吸収していると考えられている内リンパ嚢におけるイオントランスポーターおよびその制御因子に着目した。 これまでに、ナトリウム輸送が内リンパの吸収に重要な働きをしていることが示唆されている。とくに、内リンパ嚢上皮細胞のNaポンプが、内リンパ水腫を改善させるのに十分な内リンパ液の輸送能を作り出すことを、シート状の生標本にて測定し確認した。そこで、Naポンプの制御因子のひとつであるFXYD6に着目した。FXYD6が内リンパ嚢上皮細胞に発現しているとすれば、Naポンプ活性の調節を通じて内リンパの調節に関与している可能性が示唆される。そこで、FXYD6の内リンパ嚢上皮細胞での発現を、RT-PCR, in situ hybridizationにてmRNAレベルで確認し、さらに、特異的な抗体を用いて、免疫染色することで、内リンパ嚢上皮細胞に、FXYD6が蛋白レベルでも発現することを確認した。 さらに、内リンパ嚢上皮における細胞間輸送について検討した。内リンパ嚢上皮細胞間には、タイトジャンクションがあることが電顕による研究でわかっているが、タイトジャンクションを構成するクローディンに関しては調べられていない。そこで、内リンパ嚢上皮細胞におけるクローディン、特にイオン透過性を生み出す組み合わせを構成するクローディンに着目し、発現を検討した。RT-PCR, in situ hybridizationにて、クローディン2,7の発現が確認できた。これらのことから、内リンパ嚢上皮において、クローディンが細胞間イオン輸送に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(13 results)