2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成因子阻害剤の投与による髄膜炎後蝸牛骨化の予防
Project/Area Number |
19791214
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
増田 聖子 Kumamoto University, 医学部・附属病院, 助教 (70346998)
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Keywords | 髄膜炎 / 内耳障害 / 蝸牛骨化 / Noggin |
Research Abstract |
今年度はモルモット蝸牛に対してNogginが与える影響の有無と、Noggin投与の指摘濃度を決定するための実験を行った。Hartley系モルモット8週齢を麻酔後、ABR(トーンバースト、4000Hz, 16000Hz)にて聴力域値正常(40dBで波形が確認される)ものを実験に使用した。その後右耳後部を切開し、耳骨胞にドリルで小孔をあけた。正円窓を確認して、カテーテルを挿入し、開窓部は結合組織で閉鎖した。カテーテルは骨胞にデンタルセメントで固定し、Osmotic mini pump(Alzet)にRecombinant Mouse Noggin(R & D Systems)を充填させたものを背部に留置し、カテーテルと接続させた。Nogginの投与法は10、30、100μg/mL、0.5μL/時間、2週間の持続投与とした。 モルモットは前年度のラットと比較して、蝸牛内にカテーテル挿入し、nogginを持続注入させる手技は容易であった。Nogginによる聴力の低下はほとんどみられなかった。また内耳に形態学的な変化ももたらさなかった。またモルモットの髄膜炎モデルはこれまで作っていなかったため、今回はモルモット蝸牛に直接LPSを注入し、蝸牛骨化を試みる実験を行った。約30%の動物で蝸牛の骨化がみられた。骨化を起こす確率をさらに上げることが今後の課題である。またLPS投与モルモットに対してNogginがどの程度骨化を抑制するか検討する予定である。
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