2008 Fiscal Year Annual Research Report
痙攣性発声障害モデル動物を用いた病態解明と新たな治療法の確立
Project/Area Number |
19791215
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
讃岐 徹治 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (10335896)
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Keywords | 痙攣性発声障害 / 内喉頭筋 |
Research Abstract |
1. 本研究は、痙攣性発声障害の病態モデルを用いた研究である。 (1)イヌ摘出喉頭における痙攣性発声障害モデルの作成と声帯振動様式の検討 イヌ(生後6ヶ月)を用い、全身麻酔を行った後に喉頭を摘出し吹鳴箱を用いて吹鳴を行った。最適な吹鳴条件を確定した後に声帯振動の確認するために、ストロボ光照明下に声帯振動をビデオ画像記録装置に記録し、同時に吹鳴音を録音した。吹鳴音からピッチと振幅の揺らぎ、HN比の測定が可能であった。声帯を過内転することで、振動の途切れや揺らぎが得られた。 (2)in Vivo痙攣性発声障害モデルの作成 イヌ(生後6ヶ月)を用い、静脈麻酔下に気管切開を行い気道確保後、全身麻酔に切り替えて甲状軟骨を露出して両側反回神経を明視化におき電気刺激と喉頭を吹鳴させる予定であったが、電気刺激条件によって声帯が内転するも過内転の程度が一定のため痙攣性の吹鳴音を得ることができなかった。しかしながら上記の声帯過内転状態において甲状軟骨を正中切開し、前方開大を行ったところ、振動の回復を認めた例も経験した。このことは痙攣性発声障害における発声障害のメカニズムが声門の過閉鎖であれば、甲状軟骨形成術II型が有効であることの裏付けになると考えられた。また反回神経は、喉頭内で内転筋と外転筋を支配する枝に分かれるため、分枝したあとに内転筋への枝を電気刺激することで不連続な吹鳴をきたした動物モデルもあり今後in Vivo痙攣性発声障害モデルを完成させることができる可能性が示唆された。
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Research Products
(15 results)