2007 Fiscal Year Annual Research Report
非ステロイド系消炎剤によるCD44を介した頭頚部癌遠隔転移抑制効果の基礎的研究
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19791216
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
村上 大造 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (70398212)
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Keywords | 転移 / CD44 / NSAIDs |
Research Abstract |
接着分子CD44は癌細胞の増殖能、浸潤・転移能に関与することが多くの研究によって示されている。我々はその機能を制御する機構のひとつとして、カルシウムシグナルやPKC活性による細胞外領域切断機構に着目し、がんの浸潤・転移を抑制するNSAIDsのCD44連続的切断に対する変化について検討した。 CD44連続的切断に対する影響を各種NSAIDsにおいて検討したところSulindac sulfide(SS)、Meclofenamic acid(MA)処理で切断亢進が確認された。これら薬剤によるCD44連続的切断のうち細胞外領域切断はmetalloprotease阻害剤により、膜貫通領域切断はγ-secretase阻害剤により抑制された。また、MAの切断活性はEGTA、PKC阻害剤では抑制されなかった。これら薬剤処理後、経時的にCD44の発現動態を検討したところ、scrape処理では全長蛋白のturn overが確認されたのに対し、NSAIDs処理では時間経過と共にその発現量は低下した。 NSAIDsによる癌転移抑制についてはすでに報告されているが、その分子生物学的機序はいまだ不明な点が多い。本実験結果は、その癌転移抑制作用の一機序として、接着分子の細胞膜上での切断、及び新規合成の抑制による機能的な接着分子の発現低下を介していることを示唆している。
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