2007 Fiscal Year Annual Research Report
長期持続型経鼻ワクチンの開発とその有効性に関する研究
Project/Area Number |
19791217
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福岩 達哉 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60325785)
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Keywords | 経鼻免疫 / DNAアジュバント / BALB / Cマウス / Th1 / Th2 / 粘膜免疫 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
樹状細胞の増殖因子であるFlt3 Iigandをコードしたプラスミド(pFL)並びにCpG配列を含んだオリゴデオキシ核酸(CpGODN)はいずれも粘膜アジュバント活性を持つことがわかっている。これらのDNAアジュバントを同時併用する複合DNAアジュバントとして、抗原(卵白アルブミン:OVA)と共にBALB/Cマウスへ経鼻投与すると、各DNAアジュバントを単独使用した場合と比較してより強力な上気道粘膜での抗原特異的免疫グロブリン(分泌型IgA)産生及び血中における抗原特異的免疫グロブリン(IgG)産生が得られた。また、鼻腔粘膜、顎下腺より単核球を分離し、IgA抗体産生細胞数をELISPOT法にて調べたところ、複合DNAアジュバント使用群では各DNAアジュバント単独使用群と比較して有意な細胞数増加を認めた。 これらのマウスを経時的に観察すると、初回投与から27週目まで粘膜及び全身免疫応答が持続した。興味深いことに経鼻免疫にかかわる臓器からは遠隔部位にある腟からの分泌液においても、分泌型IgA産生上昇が長期間にわたって持続することがわかった。 次に抗原特異的CD4陽性T細胞によるサイトカイン産生の測定を行った。磁気ビーズ細胞分離法(MACS)を用いて経鼻免疫後マウスの頸部リンパ節よりCD4陽性T細胞を分離し、OVAおよび抗原提示細胞と培養することで抗原特異的なサイトカイン産生を調べた。ELISA法において、pFL使用群ではIL4のみが上昇しCpG ODN使用群ではインターフェロンγのみが上昇していたのに対し、複合DNAアジュバント使用群ではIL4およびIFNγの有意な上昇を認めた。さらにこれらの現象はmRNAレベルでも確認された。このことから複合DNAアジュバント群ではTh1・Th2いずれもバランスよく上昇することで免疫応答を高めていることが示唆された。
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