2009 Fiscal Year Annual Research Report
微小振動音源を用いた発声装置の声質改善のための基礎的検討
Project/Area Number |
19791223
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
阪口 剛史 Nara Medical University, 医学部, 助教 (50347564)
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Keywords | リハビリテーション / 人工喉頭 / 代用音声 / 声質変換 |
Research Abstract |
(1) 数値計算の評価・改良 簡易モデルや頭蓋解剖モデルなどを用い、実測ならびにそれら実験系をモデル化した数値計算を行い、数値計算の精度の評価を行い、必要に応じて計算条件の改良・修正(振動子のモデル化の修正、分の次数、サブグリッド法導入の必要性の有無、吸収境界条件の改良など)がなされ、シミュレーションの精度が高まった。 (2) 発声障害者による試用およびその評価をフィードバック 平成20年度までに得られた結果を基に、微小振動音源、ピックアップおよびそれらへの入力信号などを変化させ、発声障害を有する者、および有しない者双方を被験者として、本装置を稼働させ、評価、フィードバックを行い、音質の向上を実現した。 シミュレーションの精度が向上したことにより、各種パラメータを変化させたときの効果について、人間を被験者とすることなく、より正確な評価ができるようになった。このことは、今後、発声障害者への負担を最小限度にとどめながら、微小振動音源を用いた発声装置の仕様変更に対する発声の評価を行うことができるようになったことを示している。 また、発声障害を有する方から実験データを得られたことは、シミュレーションでは再現しきれない項目を確認でき、大変有意義であった。たとえば、被験者の疲労に伴う呼吸の変化が声質に与える影響、発声時に振動子の固定部分が動き、振動子の圧着状況も変化するため、発声の音量や音質に与える影響などを確認することができ、装置改良の指針を得ることができた。
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