2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791231
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 昭彦 Kitasato University, 医学部, 助教 (10317026)
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Keywords | IgA / N-結合型糖鎖 / 扁桃 / 腎症 / 3次元マップ法 |
Research Abstract |
IgA腎症ではIgA 1 のヒンジ部に結合するO-錯合型の糖鎖に異常を認めることが報告されており、我々も検討を行ってきた。また、高IgAマウスでもIgA腎症様の症状をきたすことが報告されており、IgA 1 というO-結合型糖鎖構造を持たないマウスでも腎症を引き起こすことが確認されている。 そこで、3次元マップ法を用いて扁桃と血清、我々が作成したIgA糖鎖不全カラムで抽出した異常IgAのN-結合型糖鎖について比較検討を行った。 結果として、異常IgAでは中性のN-結合型糖鎖が多く、高マンノースタイプが25%とコントロールの5%と比べて有意に局かった。また異常lgAと扁桃ではプコースの含有量も多いことがわかった。 我々は、扁桃IgAも異常IgAもO-結合型の糖鎖の異常があり、シアル酸の結合が少ない報告してきた。今回の検討で、O-結合型の糖鎖だけでなくN-結合型糖鎖にも異常を認めることがわかった。また、異常IgAと扁桃で産生されるIgAとではN-結合型糖鎖の組成も似ていることがわかった。この結果から、血中の異常IgAは扁桃由来である可能性がますます強まったといえる。また、今までIgAの腎臓での沈着はO-結合型糖鎖の不全で説明がつけられたが、沈着後に炎症を起こすメカニズムの説明ができなかった。N-結合型糖鎖の異常をもし伴つていれば、腎臓の糸球体で生じる炎症のメカニズムも説明できる可能性があるので、今後さらなる検討を行っていきたい。
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