2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症と大理石骨病モデルマウスの耳小骨リモデリング異常による聴覚障害の検討
Project/Area Number |
19791234
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神崎 晶 Keio University, 医学部, 助教 (50286556)
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Keywords | 耳小骨 / 破骨細胞 / Opg / 骨粗鬆症 / 中耳疾患 |
Research Abstract |
1.破骨細胞増加と難聴 Osteoprotegerin(以下Opg)というサイトカインが、破骨細胞の分化制御に関わるだけではなく、耳小骨の維持のために重要であることをわれわれは示していた。慢性中耳炎や耳硬化症などの難聴疾患において、耳小骨の形態異常には破骨細胞が減少し、opgが関与していることを明らかにした。進行性難聴を呈するOpgノックアウトマウス(Opg-/-マウス)に対して、骨粗鬆症薬であるビスフォスフォネートを9週間に投与したところ、対照群(Opg-/-マウスで生理食塩水を投与した群)に比べて、耳小骨の形態変化を予防し、進行性難聴を予防しえた。MCTの測定において、耳小骨の狭小化、短小化、骨容積の低下を予防し、特につち骨柄、きぬた骨長脚、アブミ骨脚、底板などの形態を正常に近い形態に保持することが可能であった。さらにOpg-/-マウスの腰骨においてもビスフォスフォネート投与によって、骨梁の正常化を示していたことがμCTによって示された。この知見は、真珠腫性中耳炎による耳小骨の骨溶解、耳硬化症におけるアブミ骨の海綿状変化・などに対して骨粗握症薬が予防効果を示す可能性があることを示している。 2.破骨細胞欠損と難聴 一方、破骨細胞が欠損した大理石骨病マウスモデルとしてRANKLノックアウトマウス、Fosノックアウトマウスを用いたが、どのマウスにおいても、耳小骨容積が増加し、高度難聴を呈していた。ただし、アブミ骨底板、内耳骨包への変化は認められなかった。
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Research Products
(10 results)