2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791235
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山下 大介 Keio University, 医学部, 助教 (60306785)
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Keywords | 感音難聴 / アポトーシス / 内耳再生 |
Research Abstract |
本年度(平成20年)は、前年度に確立した音響外傷性難聴モデル動物を用いて研究を発展させた。具体的には、まずDNAの酸化障害である8-オキソグアニンを除去する酵素(8-オキソグアニン-DNAグリコシラーゼ)をコードするOgg1遺伝子をノックアウトしたマウスを用いて、内耳障害のメカニズム解析について検討した。強大音響負荷後のノックアウトマウスと野生型マウスでは、聴覚機能(聴性脳幹反応 : ABR)および外有毛細胞数(surface preparation法によるhair cell count)に有意差がみられた。これらの結果は日本耳鼻咽喉科学会総会にて報告した。次に内耳再生研究に関連して、移植細胞の生体内動態モニタリングの検討を行った。具体的にはMRIの造影剤である超常磁性体酸化鉄(super paramagnetic iron oxide : SPIO)を細胞に取り込ませた後、in vitroにおいて細胞ラベリング効果を検討した。またその結果から次に音響外傷性難聴モデル動物において、神経に分化誘導した骨髄由来間葉系幹細胞を内耳に移植し、その内耳組織内での生着・発現を検討した。その結果は日本神経科学会のシンポジウムにて報告した。最後に内耳防御研究に関して、シグマ受容体に選択的に作用する新規の低分子化合物で、神経保護作用や抗うつ作用が期待される創薬SA4503の内耳保護効果を検討した。音響外傷性難聴モデル動物において、聴覚機能および内耳における形態的細胞死が防御できることを証明した。この結果は日本耳科学会にて報告した。
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Research Products
(7 results)