2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791236
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小宮 尚 Juntendo University, 医学部, 講師 (70348978)
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Keywords | 聴力 / ハイブリッド補聴器 / 気導 / 骨導 |
Research Abstract |
光硬化性樹脂で作られたヒト側頭骨のモデルを圧電素子で加振し,モデル各部位の振動をLDVおよび歪みゲージで計測した.同時に,側頭骨モデルの外耳道内に放射される音圧をマイクロホンで計測した.側頭骨モデルを加振する部位,振動子の振幅および振動方向を変えて,上記の計測を行い,加振方法の違いが振動の伝播経路に与える影響を明らかにした.実際のヒト側頭骨や,コンピュータ上で作成したヒト側頭骨の有限要素モデルを用いて上記1と同様の実験を行い,樹脂製の側頭骨モデルと実際の側頭骨の材料特性の違いが振動の伝播特性に与える影響を考察し,気導骨導ハイブリッド型補聴器で用いる加振方法を決定した.上記で決定した加振方法を採用した,外耳道内に挿入可能な気導骨導ハイブリッド型補聴器を試作した.試作型の補聴器には,性能評価実験を行うため,チューブ型のイヤホンおよびマイクロホンを装着できるようにした。試作した気導骨導ハイブリッド型補聴器を用いて,健聴者を被験者とした性能評価実験を行った.補聴器の振動子で被験者の外耳道内骨部を加振して音声を聴取させ,被験者の外耳道内に発生する音圧をマイクロホンで計測することにより,気導領域の補聴性能を評価した.また,外耳道内に挿入したイヤホンから発生させた気導音を比較刺激とすることで,骨部加振時に被験者が聴取する音の大きさを定量化し,試作した補聴器の補聴性能を評価するとともに,振動子への入力と聴取される音の大きさとの関係を明らかになった。明瞭な音声を聴取させるための補聴器動作を検討し,気導骨導ハイブリッド型補聴器の実用化の基盤が形成された。
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