2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791236
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小宮 尚 Juntendo University, 医学部, 助教 (70348978)
|
Keywords | ハイブリッド補聴器 / 圧電素子 / 外耳道内音 / 圧振動子 |
Research Abstract |
健聴者の側頭部を圧電素子で加振した際の外耳道内音圧を計測し, 加振周波数と被験者が知覚した音の大きさとの関係を調べることにより, 骨加振時の音の知覚に際し, 1kHz以下の低音域においては気導経路による音の知覚が主であり, 高音域に移るにつれて骨導経路が主となることが明らかになった. これらの結果から, 骨加振デバイスのみを用いて, 低域では外耳道内に発生する音波による気導補聴を, 高域では骨導による補聴を行なうハイブリッド補聴器を開発した。試作した気導骨導ハイブリッド型補聴器を用いて, 健聴者を被験者とした性能評価実験を行った. 補聴器の振動子で被験者の外耳道内骨部を加振して音声を聴取させ, 被験者の外耳道内に発生する音圧をマイクロホンで計測することにより, 気導領域の補聴性能を評価した. また, 外耳道内に挿入したイヤホンから発生させた気導音を比較刺激とすることで, 骨部加振時に被験者が聴取する音の大きさを定量化し, 試作した補聴器の補聴性能を評価するとともに, 振動子への入力と聴取される音の大きさとの関係を明らかになった。明瞭な音声を聴取させるための補聴器動作を検討し, 気導骨導ハイブリッド型補聴器の実用化の基盤が形成された。性能評価実験の結果を受けて, 試作した気導骨導ハイブリッド型補聴器のコントロールボックスを改良し, 装用者に明瞭な音声を聴取させるための補聴動作を検討した. また, 実際に補聴器を装用した際に, 不快感を覚えることが無いよう, 補聴器の形状の改良も行った。複数の伝音性難聴患者および感音性難聴患者を被験者として実験を行い,患者一人ひとりについて, 低音域から高音域までバランスよく明瞭に音声が聴取されるような補聴動作を検討した, 気導骨導ハイブリッド型補聴器の試作品の実用化に向け, 主に振動子の効率およびコントロールボックスの操作性についての改良を行い, 難聴患者が日常生活の中で利用することを想定し, 耐久性の向上を図った. 気導骨導ハイブリッド型補聴器のプロトタイプを複数作成し, 難聴患者に日常生活の中で試用させ, 問題点の発見および改良を行った.
|