2009 Fiscal Year Annual Research Report
難治性好酸球性中耳炎における線維芽細胞の新たな役割の解明
Project/Area Number |
19791243
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
酒主 敦子 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (70350064)
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Keywords | 線維芽細胞 / TARC / Th2サイトカイン / Poly(I:C) |
Research Abstract |
好酸球性中耳炎における好酸球がどのような機序で浸潤するかを検討している。好酸球は骨髄で産生され骨髄から血中へ炎症局所(中耳粘膜、中耳貯留液)に遊走する。その郵送には好酸球遊走因子が重要である。代表的な遊走因子にIL-5,eotaxin, RANTES, MCP-4などがある。これら好酸球遊走因子が、炎症局所で産生され増加していれば炎症局所への好酸球遊走に深く関わっている可能性がある。炎症局所でなく血中に増加していれば骨髄から血中への好酸球遊走に働いていることが示唆される。もう一つの好酸球浸潤に解明に繋がる重要なものはTh2typeのリンパ球の存在と遊走の解明だと考えられる。つまり気管支喘息を始めとする種々の好酸球炎症にはTh2typeのリンパ球が増加し、このリンパ球から産生されるTh2typeのサイトカインが好酸球遊走を誘導するからである。従って、好酸球性中耳炎の中耳粘膜や中耳貯留液中にTh2typeのリンパ球の遊走因子であるTARCが産生、増加しているか検討した。 線維芽細胞から、CC chemokineを産生することが解り、好酸球性炎症に重要な役割を果たしていると考えられている。好酸球性中耳炎の中耳粘膜を単離しTh2サイトカイン(IL-4,IL-13)及びPolycyokine-polycytidylicacid(以下Poly(I:C))で刺激し、TARC産生を検討した。結果は、それぞれ単一による刺激と比較しTh2サイトカイン+Poly(I:C)による刺激においてTARC産生が著明であった。
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