2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791245
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
富田 英一郎 Kurume University, 医学部, 助教 (70309839)
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Keywords | 喉頭 / 喉頭腺 / 放射線治療 |
Research Abstract |
喉頭における局所生体防御免疫能が喉頭各部位の炎症性疾患や腫瘍の増殖に与える影響に注目し、とく局所粘膜免疫の中心的役割を担う腺組織(喉頭腺)分布が、加齢とともに量的あるいは質的な変化を示すか、漿液腺や粘液腺などの構成が変化するかを検討した。対象は頭頸部がん治療の過程で合併切除した、成人111名(男性100名、女性11名;年齢43歳〜90歳)の摘出喉頭である。111例中102例が10年から58年間の喫煙歴を有し、放射線治療歴のある患者が17名(男性14、女性3;年齢49-90歳)存在した。摘出喉頭を脱灰後、段階的喉頭HE染色大切片を作成し、弱拡大・強拡大にて画像解析装置に取り込み、声門上部および声門下部における喉頭腺の分布密度や腺組織の構成を解析した。声帯や仮声帯にがんの浸潤をみとめる摘出喉頭では、腺組織分布の計測は、腫瘍進展のない正常部分に限った。 成人喉頭声門下部の大切片横断面を用いてmaximumairway、availableairway、粘膜部分面積、腺組織の面積を小児喉頭と比較してみると、成人では小児に比較して9倍(availableairway)から5倍(粘膜部分面積、腺組織占有面積)であったが、粘膜あたりの腺組織の比率(腺組織占有率)は成人0.20、小児が0.19とほぼ同一であることが判明した。また、成人喉頭の声門下部での喉頭腺占有率(腺密度)を計測した結果、高齢者ほど声門下喉頭腺組織が減少する傾向がみられた。しかし測定結果に有意差はなく、小児期ほどの腺組織の年齢的変化はないことがわかった。今後は引き続き加齢に伴う喉頭腺の構成の変化や分泌液内因子の測定、放射線治療歴患者の喉頭での変化を検討する。
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