2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791247
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
北村 拓朗 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (60341509)
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Keywords | 睡眠呼吸障害 / 認知機能 / 事象関連電 / 鼻閉 |
Research Abstract |
【目的】睡眠呼吸障害(sleep disordered breathing : SDB)は大きないびき, 繰り返す睡眠中の呼吸停止とともに、非常に強い日中過眠をきたす疾患群であるが, 精神生理機能の劣化に関するメカニズムに関しては不明な点が多い. 事象関連電位(event-related potential : ERP)は、外的あるいは内的な事象に時間的に関連して生じる脳の元過性の電位変動であり, 近年認知生理機能の客観的評価方法として注目されている. 本研究では, SDB患者の精神生理機能評価にERPを応用することにより、精神生理機能の劣化に関するメカニズムの解明を目的とした。本該当年度は呼吸障害の元因である鼻閉に着目し, 鼻閉および鼻閉に伴う呼吸障害の認知機能に与える影響について検討を行った. 【対象と方法】当科にて鼻閉に対する鼻内手術を施行し、術後両鼻内にガーゼパッキングを行った成人患者を対象とした. 術後の両側鼻内ガーゼパッキング時および鼻内ガーゼ抜去当日もしくは翌日の正常鼻呼吸時に計2回P300を測定し, 潜時の変化について比較検討を行った. P300測定には聴覚オドボール, ボタン押し課題(標的刺激2000Hz, 80%, 標準刺激1000Hz, 80%)を用いた. 【結果】ガーゼパッキングによる数日間の人工的鼻閉により, P300潜時の延長が認められ, ガーゼ抜去による鼻腔通気改善とともに潜時は有意に短縮した. 鼻内ガーゼ抜去によるP300潜時の短縮は抜去直後より認められた. 【結論】ガーゼパッキングによる鼻閉は, 睡眠中の呼吸障害とは別のメカニズムを介して, 認知機能低下に影響をおよぼしている可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)