2007 Fiscal Year Annual Research Report
インドメタシンによる鼻茸縮小機序の解明とラミニンの関与
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19791248
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
宇高 毅 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (10369069)
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Keywords | 鼻茸 / ラミニンγ1 / 細胞外マトリックス / 基底膜 / 光顕免疫染色法 |
Research Abstract |
【目的】細胞外マトリックスの1種であるラミニン蛋白が鼻茸の成因に重要な役割を演じている可能性を明らかにすること。またこの結果をもとに、将来的にインドメタシンの改良によってこれらの薬剤が鼻茸の治療に応用できる可能性を明らかにすること。【材料と方法】初年度は、HE染色を行い鼻粘膜の基底膜肥厚について観察を行った。この所見をもとに、光顕免疫組織化学染色法を用いて、(1)正常鼻粘膜、(2)通常副鼻腔炎粘膜(鼻茸なし)、(3)アスピリン耐性者の鼻茸粘膜、(4)アスピリン非耐性者の鼻茸粘膜(特に基底膜)におけるラミニンY1蛋白の局在および発現について比較検討を行なった。【結果】鼻茸をともなった、(3)アスピリン耐性者の鼻茸粘膜、(4)アスピリン非耐性者の鼻茸粘膜群では、(1)正常鼻粘膜群と比較して基底膜の肥厚を伴った症例が多く観察された。一方、光顕免疫組織化学染色では、正常群と比較して鼻茸群でラミニンY1の免疫陽性反応が強い症例が多く見られ、特に基底膜周囲に強く染色している症例が数例見られた。【考察】上記の結果より鼻茸の形成過程において、ラミニンY1が重要な役割を果たしていることが示唆されたものの、ラミニンY1の免疫染色性について一定した規則性は未だ見い出せていない。つまり、鼻茸のなかでも染色性が強い症例や、全く染色しない症例が見られる。このため今後、さらに症例数を増やした検討が必要と思われた。またその他のラミニンサブユニットに関する検討も重要と思われた。
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