2008 Fiscal Year Annual Research Report
老人性難聴の分子病理学的解析〜蝸牛外側組織に焦点を当てて〜
Project/Area Number |
19791250
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
木村 百合香 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (40450564)
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Keywords | 老人性難聴 / 感音難聴 / ヒト側頭骨病理 / レーザーマイクロダイゼクション法 / 蝸牛 / 血管条 / ラセン靱帯 / mRNA |
Research Abstract |
老人性難聴は、酸化ストレス説など様々な原因が想定されているが、ヒト側頭骨病理学的研究では、約25%の症例に光顕上上病理組織変化が見られない症例が存在する。我々は、この原因として、ラセン靱帯やラセン板のタンパク組成の変化による振動特性の変化や、K^+イオンのリサイクリングの阻害物質の沈着などを予測している。そこで、東京都老人医療センター剖検病理科において、病理解剖時に採取されたヒト側頭骨を凍結保存しRNAを抽出、超高齢者(90歳以上)と、前期高齢者間において蝸牛外側組織に多く発現する難聴遺伝子のmRNA発現量の比較を行った。ヒト内耳組織からのRNA抽出は、RNAlater溶液中にて骨迷路を削り、蝸牛・前庭の膜迷路を採取することで、良質なRNA抽出が可能であった。本法は我々が独自に開発した手法であり、その詳細は原著として、Acta Otolaryngol. 2007;127:1024-30に発表している。さらに、レーザーマイクロダイゼクション法を用いてホルマリン固定パラフィン包埋側頭骨標本により、蝸牛内ラセン靱帯、血管条、外有毛細胞、ラセン神経節の部位別mRNA抽出にも成功した(2008年日本耳科学会にて報告)。今後、凍結標本で得られたmRNAの加齢による発現変化の知見を元に、レーザーマイクロダイゼクション法を用いて、蝸牛内細胞レベルでのmRNA発現量の増減と免疫組織染色法により、老人性難聴の分子病態を解析する予定である。
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Research Products
(4 results)