2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791253
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山崎 仁志 Hirosaki University, 医学部・附属病院, 講師 (00374835)
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Keywords | 悪性黒色腫 / 自己免疫 / 網膜自己抗原 / RCSラット / P23Hラット |
Research Abstract |
悪性黒色腫随伴網膜症は悪性黒色腫に随伴する網膜症であり、遺伝的に網膜変性を生じる網膜色素変性や機械的傷害で引き起こされる光傷害網膜変性と病態に類似性がみられる。そこで、同様に網膜変性を生じるモデル動物であるRCSラット(Royal College of Surgeons Rat)、P23HラットおよびS334terラット用いて、基礎研究を行った。カエル錐体をもちいたin vitroの試験で、カシス中のアントシアニン成分がロドプシンの再生を促進したという報告があるが、今回、これらのモデル動物に対するアントシアニンの効果を検討するために以下の研究を行った。 1) RCSラットに対してカシスより抽出したアントシアニン1mg/kg/dayを生後3週から4週まで連日経口投与し生後4週目に評価 2) P23Hラットに対して生後4週から8週まで同様に経口投与し、生後6、8週目に評価 3) S334terラットに対して生後10日から20日まで同様に経口投与し生後20日に評価対照には基剤のみを投与したものを用い、同様に計測した。 これらを、光学顕微鏡による組織学的検討、網膜電図(ERG)による機能評価、TaqMan^RPCRを用いたapoptosis pathwayの諸因子の変化を転写レベルで検討した。 この結果、組織学的にはRCSラットとP23Hラットの外顆粒層の厚さが有意に保たれていたが、S334terラットでは効果がなかった。網膜電位図では、RCSラットとP23Hラットにおいてb波の振幅の低下が抑制されていた。TaqMan^[○!R]PCRを用いたapoptosis pathwayの諸因子の変化を転写レベルで検討したところ、RCSラットにおいてはcas8の発現がcontrolに比べて有意に減少していたが、その他の因子については変化はみられなかった。S334ter, P23Hラットにおいてはいづれの因子も有意な変化はみられなかった。 以上から、ある種の網膜変性に対しては効果があるものの、その病態は未だ不明であり、今後さらなる検討を有すると思われた。
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Research Products
(3 results)