2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
臼井 智彦 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (80282557)
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Keywords | 角膜 / 血管新生 / アンギオテンシン / 炎症 |
Research Abstract |
今年度は角膜血管新生の過程におけるアンギオテンシン糸(RAS)の関与を検討した。手術用顕微鏡下でマウスに10-0nylon糸を角膜実質内にかけることにより、角膜血管新生を誘導し、術後1,3,7日後の眼球から角膜を摘出した。摘出した角膜はからmRNAを抽出し、アンギオテンシノーゲン、アンギオテンシン受容体に対する特異的プライマーを用いてRT-PCRを行ったところ、これらの分子は血管新生を誘導した角膜で正常角膜と比較してmRNAレベルでの発現が亢進していた。アンギオテンシン2、アンギオテンシン受容体に対する抗体を用いて摘出した角膜より蛋白成分を抽出したサンプルからウエスタンブロッティングを行い、蛋白レベルにおいてもこれらの分子が血管新生誘導角膜において発現が亢進していることを確認した。これら分子の発現の局在を確認するために、免疫組織染色を行ったところ、アンギオテンシン2、アンギオテンシン受容体ともに正常角膜にはほとんど発現を認めないものの、血管新生角膜においては、角膜上皮細胞や実質細胞に発現が認められた。これらの実質細胞は白血球マーカー(CD45)や血管内皮マーカー(CD31)との二重染色により、炎症細胞浸潤としての白血球と侵入した血管内皮細胞であることが示された。またこれらの現象はin situ PCRにおいても同様なパターンを示した。以上から炎症性角膜血管新生においてRASが関与していることが明かとなった。現在その機能解析を行っている。
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