2007 Fiscal Year Annual Research Report
Flatmount法を用いた毛様体・網膜幹細胞からの視細胞再生についての解析
Project/Area Number |
19791263
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西口 康二 Nagoya University, 医学部・附属病院, 助教 (30447825)
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Keywords | 網膜変性 / 毛様体上皮 / 網膜 / 視細胞 / 網膜発生 |
Research Abstract |
H19年度では、我々は毛様体上皮の網膜発生に関する役割について、主に毛様体と網膜を同時にマウントする毛様体網膜flatmount法を用いて検討した。網膜器官形成期の野生型マウス(C57BL/6Jマウス)の毛様体扁平部上皮には、網膜神経前駆細胞が多数存在することが明らかになった。網膜神経前駆細胞にはリカバリン、ロドプシン、PNAなどのマーカー陽性の視細胞系の細胞が含まれていた。それらの細胞は周辺網膜の視細胞の分化とほぼ同じ時間的経過で形態学的、分子学的に分化した。しかし、網膜器官形成終了後の生後12日齢では、視細胞マーカー陽性の細胞は毛様体上皮からほぼ消失した。(IOVS,2008)。 一方、同様な方法を用いて網膜変性マウス(C3H/HeJマウス)の毛様体扁平部上皮を観察したところ、これらの視細胞マーカー陽性細胞は生後30日以降でも多数認められた。さらに、同部位のリカバリン陽性の大多数は、PNA陽性の小突起を有しており、錐体視細胞系の細胞であり、ロドプシン陽性の杆体系の細胞は比較的少ないことが判明した。また、分裂細胞をラベルするBrdUを用いて、網膜幹細胞によるBrdUの取り込みとそれらの細胞の分化の時期について検討した。その結果、毛様体扁平部上皮のリカバリン陽性細胞の少なくとも約3%は、網膜器官形成後の生後12日齢以降に分裂細胞から新生されたものであることが明らかになった。さらに、同部位における少数のリカバリン陽性細胞は生後24日以降にも新生された。しかし、生後30日以降ではこのような事象は検出されなかった。
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