2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791264
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
生杉 謙吾 Mie University, 医学部附属病院, 講師 (10335135)
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Keywords | 小胞体ストレス / CHOP(C / EBP homologous protein) / 網膜周皮細胞 / 糖尿病網膜症 / GRP78 (Glucose regulated protein |
Research Abstract |
初年度は網膜周皮細胞(TR-rPCT)における小胞体ストレス及びunfolded protein responseのメカニズムを分子生物学的にあきらかにした。まず、網膜周皮細胞の細胞培養系を確立した。この系を利用し細胞培養培地中のグルコース濃度をOmMから50mMまで変化させMTS assay法等により細胞増殖の変化について観察、またアポトーシス細胞の出現率をTUNEL法により評価した。いずれの方法によっても、網膜周皮細胞の培養に最適なグルコース濃度は5.5mMであり、これより、高濃度であっても低濃度であっても細胞増殖は抑制され、TUNEL陽性細胞が出現した。(出現率は、0mM及び25mMにてそれぞれ約15%であった。)また、小胞体ストレス特異的なenzymeの変化を経時的に観察したところ、結果、低グルコース濃度下における網膜周皮細胞において小胞体ストレス特異的なenzyme (GRP78(Glucose regulated protein 78)、ATF4(Activating transcription factor 4)、CHOP(C/EBP homologous protein)、Caspase-12など)の活性を、Western blot法により検証できた。これらの実験結果は、in vitroではあるが、特に低グルコース濃度の状態において、小胞体ストレス及びunfolded protein responseというメカニズムが、糖尿病網膜症の発症及びその初期病変である網膜血管の変化に密接に関連している可能性を示唆しており、その病態を考える上で、非常に興味深い結果が得られたと考えている。
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