2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791264
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
生杉 謙吾 Mie University, 医学部・附属病院, 診療等従事者 (10335135)
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Keywords | 小胞体ストレス / Unfolded protein response / 糖尿病モデルラット / GRP78 / BIP / 糖尿病網膜症 |
Research Abstract |
本年度(2年目)の研究では、糖尿病モデル動物(ラット)を用い、小胞体ストレス及び、unfolded protein responseの糖尿病網膜症における分子生物学的メカニズムを明らかにすることを目的とした。研究1年目で明らかとなったin vitroにおける網膜細胞特異的なグルコース濃度変化に伴う小胞体ストレス反応を糖尿病実験動物モデルにて研究した。糖尿病モデルラット(ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットやGoto-Kakizakiラット)を使った実験は、すでに当教室にて進行中であったため、安定したモデルの作成が可能であった。 これらのラットモデルを用い、糖尿病罹患期間別に、網膜組織に小胞体ストレス特異的な酵素(GRP78/BIP、ATF4、CHOP、Caspase-12、PERKなど)の発現部位に変化がおきているか明らかにする実験をおこなった。これは、初年度、網膜細胞培養系の実験時に使用した眼科領域における小胞体ストレスマーカー(タンパク質)に対する抗体を用いて、免疫組織染色法にておこなった。また、モデルラットの網膜組織を摘出し、western blot法にてストレスマーカータンパク質の発現量を定量した。糖尿病モデルラットにおいては、肝臓・腎臓などの臓器で小胞体ストレスの発現はすでに報告がされているが、網膜組織についてはこのような実験は、過去に全くおこなわれた事が無く、結果は現在詳細を解析中であるが、その成果については、非常に重要な知見が得られるものと考えている。結果については、近日中に眼科領域の国際雑誌に投稿予定である。
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