2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791266
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 智之 Osaka University, 医学系研究科, 寄附講座助教 (50432539)
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Keywords | 再生医療 / 眼組織 / 網膜 / 角膜 |
Research Abstract |
難治性眼疾患に対する再生医療のセルソースが注目されている。われわれは、眼組織細胞の各細胞型への分化誘導のメカニズムを検討している。まず、網膜再生医療において、固有の網膜細胞を得るために網膜幹細胞に着目した。さらに分化誘導にはたらく転写因子群を決定するために、網膜発生において重要な転写因子群を網膜幹細胞に強制発現させて、どの因子が網膜固有細胞に効率よく分化するかを解析した。前年度に作成した網膜発生において重要な役割をもつことが報告されている転写因子群(Crx, Otx2, Mash1, Nr1, NeuroD, Chx10, Ath5, NHLH, MITEChx10VP16)を発現するレンチウイルスを網膜幹細胞に感染させて、分化誘導後に網膜視細胞(Rho)・色素上皮細胞(RPE65)・神経節細胞(NF)の分化マーカーをRNAレベルで検討したところ、Chx10VP16が視細胞マーカー、網膜色素上皮細胞マーカー、神経節細胞マーカーの上昇が認められ、各細胞型への分化が誘導された。さらに今年度は蛋白レベルでも同様の結果が得られることを確認した。さらなる誘導力の向上を目指して、CHXVP16とその他の因子を同時に強制発現させるベクターを構築した。次年度はこの因子の組み合わせによってさらなる分化率の向上が得られるかを検討し、動物モデル(視細胞変異マウス)への移植実験などにて、vivoでの誘導細胞の挙動を検討する。角膜再生医療においては、データベース解析にて網羅的に検索し、角膜内皮細胞に特に発現量の多い因子を5つ選択した。それらをプローブとして、USAアイバンクから購入したヒト角膜組織において、in situ hybridizationを施行して角膜組織特異的発現があるか確認中である。
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Research Products
(1 results)