2007 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素上皮細胞におけるamphiphysinIバリアントの役割
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19791268
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
細谷 修 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90304310)
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Keywords | 網膜 / 色素上皮細胞 / アンフィファイジン / スプライスバリアント / エンドサイトーシス / エンドソーム / 膜小胞輸送 |
Research Abstract |
ヒト網膜でamphiphysin Ir(amph Ir)はリボンシナプスでの視覚情報伝達機構に加え,色素上皮が営む網膜組織の健常性維持機能においても重要な役割を果たす可能性がある.本研究では色素上皮でのamph Irの機能を探る目的で,ヒト網膜色素上皮由来の細胞株(ARPE-19)を実験モデルとして以下の解析をした. (1)Amph Irの細胞内分布を免疫細胞化学で解析した.その結果,amph Irはミトコンドリアに加え,初期エンドソームの一部やclathrin免疫陽性細胞内構造の一部にも局在することが分かった. (2)Amph Irの発現を特異的かつ効率的にノックダウンするsiRNAを合成した. (3)Amph Irがミトコンドリア膜構造の変化・維持機構へ関与する可能性を調べる目的で,amph Irノックダウン細胞を用いて同オルガネラの形態学的解析を詳細に行なったが,明らかな表現型変化は見出せなかった. (4)解析(1)からARPE-19のclathrin依存性エンドサイトーシス機構にamph Irが関与する可能性が示された.そこでamph Irノックダウン細胞でtransferrin取り込みを追跡したところ,transferrin含有初期エンドソームの細胞内分布様式が変わることが分かった. 以上の結果からamph Irはヒト色素上皮細胞におけるclathrin依存性エンドサイトーシス経路のうち,初期エンドソーム輸送過程に関与する可能性が示めされた.現在この可能性を追究する目的でamph Irの相互作用分子の同定を試みており,免疫沈降法とLC/MS解析から興味ある蛋白質を複数検出した.
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