2007 Fiscal Year Annual Research Report
角膜ヘルペス患者涙液及び前房水中の単純ヘルペスウイルス由来タンパクの検出
Project/Area Number |
19791272
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山田 直之 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助教 (70437630)
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Keywords | 角膜ヘルペス / 角膜移植 / 検査 |
Research Abstract |
正常者と上皮型角膜ヘルペス患者,ヘルペス性ぶどう膜炎患者から涙液もしくは前房水を採取しICPO蛋白質の存在をWesternblotting法を用いて検討した。正常者の涙液3検体中3検体ともIGPO蛋白質は認めなかったが,角膜ヘルペス患者の涙液2検体中2検体からICPO蛋白質を認めた。正常者の前房水3検体中3検体ともICPO蛋白質は認めなかったが,ヘルペス性ぶどう膜炎患者のの前房水5検体中2検体からICPO蛋白質を認めた。ICPO蛋白質を認めなかった残り3検体中1検体はPCRにてHSV-DNAが陽性,1検体は涙液でICPO蛋白質が陽性,1検体はHSV,VZV,CMV-DNAとも陽性であった。特に,ヘルペス性ぶどう膜炎患者のうち1例からは,前房水からのICPO蛋白質が検出されなかったにもかかわらず,涙液中からICPO蛋白質の発現が認められた。また,前房炎症を認めないヘルペス性ぶどう膜炎の前房水より、ICPO蛋白質を検出できた症例も見られた。検体採取による患者への副反応および不測の事態も生じなかった。これらの事実から,上皮型角膜ヘルペスおよびヘルペス性ぶどう膜炎患者の涙液からICPO蛋白質検出できる可能性があること,特に涙液中ICPO蛋白質の検出はぶどう膜炎患者の非侵襲的な診断方法となりうる可能性が示唆された。また,涙液中からの検出が可能であったことから,再燃を繰り返す上皮型角膜ヘルペス患者の涙液採取による再燃予測の可能性も示唆された。
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